読売10/08 03:11 ＜特報・関西電力＞料金割引メニューの加入件数が１万件を突破

1.キイワード；料金割引メニュー

2.関係者；関西電力

3.概要；関西電力が今年４月から導入した熱電源をすべて電気でまかなう家庭を対象にした料金割引メニュー（オール電化割引はぴｅプラン）の加入件数が１万件を突破した。関電はこの割引メニューを武器に「オール電化住宅」の普及拡大を図り、電力需要の新規開拓につなげる。ガスを電気に切り替えさせる作戦で、家庭用エネルギー分野に攻勢をかける。家庭用がガス販売量全体の３割を占める大阪ガスとの顧客確保競争が激化しそうだ。　【須佐美玲子】　割引メニューは、給湯や台所、冷暖房など家庭内の熱源をすべて電気にすると、電気料金を１０％割り引くというもの。関電の試算によると、ガス併用からオール電化に切り替えると据え付け工事費を含めて計約５０万円が必要になるが、標準家庭（大人２人、子供２人）の月額光熱費は都市ガス併用住宅に比べ約３０％、約４４００円安くなる。今年１０月からは他電力会社も追随して同じような割引メニューを導入した。関西電力管内でオール電化住宅は、割引料金の契約をしていない家庭を含めて現在１０万件。同社では割引料金制度をピーアールし、リフォーム需要をターゲットに今年度中にさらに１万７０００件を増やす計画だ。　

今年３月に大口需要家向けの電力小売り事業が自由化された。３年後には制度見直しで家庭用を含めて自由化対象になることが予想される。関電の「オール電化住宅」はエネルギー需要の頭打ちと規制緩和による競争激化に対応、家庭用エネルギー分野の需要拡大を図る。家庭用に強みを持つ大阪ガスにとって「オール電化」作戦は大きな脅威。大ガスは、都市ガスを利用した燃料電池で発電し、その排熱を冷暖房や給湯などの熱源とする熱電併給（コージェネレーション）の家庭向けシステムの実用化を目指しており、関電の攻勢を迎え撃つ構えだ。