読売09/21 23:11 光ファイバー「過疎地には整備せず」、ＮＴＴ転換

1.キイワード：光ファイバー

2.関係者；NTT

3.概要；ＮＴＴは二十一日、二〇一〇年までに全国の光ファイバー網の整備を完了するとした現在の目標を撤回する方針を固めた。今後は需要が見込める地域に絞って整備する計画に転換する。これに対して、郵政省などは、森内閣が最優先課題として掲げるＩＴ（情報技術）革命推進のためには、光ファイバー網の整備は欠かせないとしており、ＮＴＴの計画撤回に強く反発する可能性が高い。光ファイバーの整備は、電気通信審議会（郵政相の諮問機関）が九四年に二〇一〇年までに日本全国を１００％カバーするとの目標を掲げ、ＮＴＴもこれに呼応する形で同じ目標を定めていた。しかし、ＮＴＴは今後は、採算が見込めない過疎地域では光ファイバー網は事実上敷設しないことにした。通信の自由化が進む中、過疎地域にまで光ファイバーを敷設すると、収益を圧迫すると判断した。

　これまで、ＮＴＴは、全国にある各電話局から、四百世帯に一か所の割合で設けた中継ポイントまで、光ファイバーを敷設する作業を進めてきた。九九年三月末現在、全国の３６％の地域で整備済みになっている。政令指定都市や県庁所在地など都市部の整備率は５６％で、オフィス街では９３％に上っている。ただし、中継点から各オフィスや家庭まで光ファイバーを敷く作業はまだ手つかずの状態だ。ＮＴＴでは、光ファイバーを、都市部を中心にネットサービス用に敷設し、新たな収益源にしたい考えだ。