読売09/09 14:38 放射光を利用、１ミリ以下のがん診断法を開発

1.キイワード；スプリング8、ガン診断法

2.関係者；東京医大

3.概要；十一日から東京都内で始まる世界肺がん会議で報告される。最新のエックス線画像診断装置（ヘリカルＣＴ）を使うと、直径二ミリ程度の疑わしいがん病変を発見できるが、確定診断するためには、周辺組織と病変を摘出して調べる必要があった。放射光診断法なら、画像診断だけでがんと診断できる可能性が高いという。研究チームは、ヘモグロビンや葉緑素と同じ仲間のポルフィリン化合物が、がん細胞に取り込まれやすい性質を持っていることに注目。放射光を吸収する性質のある金（きん）と結合したポルフィリン化合物を合成し、肺がんを持つマウスに注射した。このマウスの体内では、金ポルフィリン化合物が、がん細胞に集中的に取り込まれ、肺に放射光を当てると、病巣だけが放射光を吸収。画像診断で、〇・五ミリ程度のがんを正常組織と区別して確認できた。ＳＰｒｉｎｇ―８は、加速した電子が作り出す放射光を活用、特定の波長の光だけ取り出して実験ができる施設。