読売09/07 01:56 質量を与える素粒子・ヒッグス粒子を観測

1.キイワード；ビッグバン、ヒッグス粒子

2.関係者；欧州合同原子核研究機関（ＣＥＲＮ）川本辰男・東大素粒子物理国際研究センター助教授

3.概要；物質に質量を与える究極の素粒子・ヒッグス粒子の存在を示す証拠が、ジュネーブのＣＥＲＮで観測された。正式に確認されれば、科学史に残る大成果となりそうだ。同研究所の川本辰男助教授によると、世界最高レベルのエネルギーを誇る「陽子反陽子衝突型加速器」（ＬＥＰ）を使った国際共同実験で、この夏、ヒッグス粒子の発生とみられる現象が数回観測された。粒子の質量は千百四十億電子ボルト前後という。結果は、今月五日に所内で開かれた研究発表会で報告された。ヒッグス粒子は、一九六〇年代に、英国の物理学者ヒッグス博士が存在を予言した、未知の粒子。宇宙の基本的な仕組みを考える素粒子物理学の標準理論によると、ビッグバン直後の宇宙では、すべての素粒子が質量のない状態で飛び回っていた。宇宙が次第に冷えるに従い、宇宙はヒッグス粒子で満ちるようになり、物質の基本構成粒子であるクオークや電子などに作用して、質量を授ける働きをしたとされている。素粒子に質量が生まれた結果、粒子同士が集まり、物質の基である原子が構成され、星の誕生に結び付いたとされる。一九九四年に、米国・イリノイ州のフェルミ研究所が、最後のクオークであるトップ・クオークを発見して以来、世界の物理学者の最大の探索目標になっていた。

注；ここも関係しています。
http://fnth37.fnal.gov/susy.html