読売09/07 14:35 ヒトの万能細胞研究、東大でも

1.キイワード；ES細胞、クローン、倫理

2.関係者；東京大学医科学研究所の横田崇客員教授の研究チーム

3.概要；研究チームは、一九九八年に人間の万能細胞の培養に世界で初めて成功した米ウィスコンシン大と共同で、万能細胞を効率よく増殖させる条件を研究する。万能細胞を作り出すには、受精卵がある程度育った段階で壊す必要があるため、倫理問題が焦点となっており、国内での研究は事実上、凍結されている。さまざまな臓器や組織に分化する能力を持つ人間の万能細胞（ＥＳ細胞）を使った研究を、七日までに、同学内の「ヒト生殖・クローン専門委員会」に申請した。同委員会は近く、倫理問題などの審査を始める。人間の万能細胞の研究計画が明らかになったのは、今年三月の大阪大医学部に続き二例目。研究計画の相次ぐ具体化で、国による研究体制の早期整備を求める声が強まりそうだ。科技庁は現在、万能細胞の研究に関し、国と各研究機関の二重審査などを求める指針を、年内公表をめどに策定中。米国政府は先月二十三日、これまで禁じてきた万能細胞の研究に政府資金を投入するための指針を公表した。