毎日12/05 19:40 ＜もんじゅ＞福井県知事、敦賀市長が安全審査へ向け合意

1.キイワード；もんじゅ

2.関係者；栗田幸雄知事と河瀬一治市長

3.概要；１９９５年１２月のナトリウム火災事故で停止したままの高速増殖炉「もんじゅ」（福井県敦賀市）の運転再開について、同県の栗田幸雄知事と同市の河瀬一治市長が５日午前、福井県庁で協議し、運転再開に向けて核燃料サイクル開発機構（核燃機構）が両者に対し国の安全審査入りへの了解を求める「事前了解願」を受け取ることで合意した。了解願の提出は、敦賀市議会が開会する１１日以前とみられる。事故から５年を経て、運転再開への手続きが始まることになった。協議で、河瀬市長は「原発は安全、安定に運転されるのが本来の姿。そのために安全審査が必要で、できるところから（もんじゅの）改造工事を始めるべきだ」と安全審査入りに理解を示し、栗田知事も「国の原子力研究開発利用長期計画（長計）でもんじゅの位置づけが明確にされたことなどを踏まえ、運転再開そのものとは切り離し、了解願を受けて安全性の議論をスタートさせたい」と語った。了解願の受理後は、栗田知事は開会中の県議会に議論を求めたうえ、安全審査入りを了解するか判断する。最大会派の自民党会派が「新幹線着工の担保がない限り、議論には応じられない」との姿勢を示しており、曲折も予想される。　

安全審査が了解された場合、核燃機構は国に原子炉設置変更許可を申請。それに基づいた安全審査で、問題がなければ、改めて知事と市長に改造工事実施の事前了解を求めるなどの手続きが進むが、順調にいっても運転再開には３年以上かかる見通し。　【八重樫裕一】[2000-12-05-19:40]

毎日12/02 01:00 ＜もんじゅ＞運転再開の論議始めたい意向を表明　栗田福井県知事

　福井県の栗田幸雄知事は１日開会した県議会で、１９９５年１２月のナトリウム火災事故で停止したままの高速増殖炉「もんじゅ」（同県敦賀市）の運転再開について、「近く敦賀市長と協議し、核燃料サイクル開発機構から（再開の前提となる国の安全審査入りの了解を求める）『事前了解願』を受けるかどうか判断したい」と述べ、運転再開に向けての論議を始めたい意向を表明した。栗田知事は既に、安全審査入りを受け入れる意向を固め、この日の県議会で了解願を受け取る意思表明をする方向で調整してきた。しかし、最大会派の自民党会派が、北陸新幹線の着工の要望に対する政府・与党の対応が鈍いとして「議論には応じられない」との姿勢を強硬に示したため、知事側が対立を避けた形になった。このため、知事が了解願を受け取る時期などは不透明になっている。　栗田知事は、再開論議を始める前提として、もんじゅを含む高速増殖炉開発の位置づけが国の原子力研究開発利用長期計画（長計）の中で明確にされることを要望してきた。国の原子力委員会が１１月２４日、もんじゅの「早期運転再開」を盛り込んだ長計を決定し、さらに公共事業見直しで、与党が福井空港拡張整備計画の中止決定を「保留」にしたことで、受け入れの条件は整ったとの考えだ。

　一方、同県内では、運転再開に反対する約２２万人の署名が集まっており、反原発団体は危険性を訴え、栗田知事に事前了解願を受け取らないよう求めている。　【八重樫裕一】[2000-12-02-01:00]