トップページに戻る
DBの部屋に戻る
毎日11/10 18:46 ＜米大統領選＞「落ち着いた次期大統領」を演出 ブッシュ陣営
1.キイワード；米国大統領選挙
2.関係者；ブッシュ知事
3.概要； 【オースティン（テキサス州）１０日佐藤由紀】フロリダ州での勝利が一時伝えられたブッシュ・テキサス州知事と陣営は、「当選の公式発表を待つ落ち着いた次期大統領」というイメージを演出するのに腐心しているようだ。フロリダ州の再集計が済めば、ブッシュ氏の勝利は確実になるというのが、ブッシュ陣営の一貫した姿勢だ。投票日翌日の８日には、知事公邸の食堂に代表記者を招き入れ、「午前３時半に就寝し７時に起きた。いつものように、ローラ（夫人）のために朝のコーヒーを入れて部屋まで運び、２匹のネコにエサもやった。（ネコと）話もした」と、開票の混乱にもかかわらず日常に変化がないことをさり気なく示した。静観の姿勢を演じるブッシュ氏とは対照的なのが、側近たちの言動だ。ブッシュ氏当選を前提に、政権構想など次期大統領としての準備着手を隠さず、ゴア陣営の神経を逆なでしている。例えば、９日付の地元紙・オースティン・アメリカン・ステーツメン。ブッシュ氏がチェイニー元国防長官を「政権移行チーム」の責任者に任じ、当選が決定すればただちにパウエル元統合参謀本部議長の国務長官指名を発表するという人事予想記事を掲載した。ブッシュ陣営から流れた情報であることは間違いない。
ゴア選対のデイリー本部長は９日の会見で、こうしたブッシュ氏の「大統領気取り」を厳しく批判した。だがブッシュ陣営は強気だ。ヒューズ広報官は同日、ブッシュ氏が外交問題顧問のライス・スタンフォード大教授と会談し、さらにテキサス州副知事らと「今後の州政治への影響など」について話し合ったことを紹介し、組閣準備が進んでいることを否定しなかった。再集計でゴア氏との票差が縮み、ブッシュ氏の心中は穏やかではないはず。土壇場で世論をどう味方につけ、いかに相手を悪者に見せられるか。両陣営は「大統領適任の人物像」をアピールする選挙戦の第２幕を演じている。[2000-11-10-18:46]
毎日 11/10 19:21 ＜米大統領選＞ゴア、ブッシュ両候補が電話でののしりあい
「何言ってるんだ」「えらそうにするな」。米大統領選でゴア、ブッシュ両候補が、開票直後の８日未明にかけた電話が、両陣営の泥仕合に火をつけた。電話でののしりあいを演じ、感情的対立が陣営全体に広がって非難合戦に発展した。米メディアによると、８日未明、ブッシュ当選の報を聞いたゴア氏がブッシュ氏に電話、当選を祝福し、敗北を認めた。ゴア氏は敗北宣言するために支持者の待つ広場に向かう車中で、フロリダ州で再集計の可能性があることを知らされた。ゴア氏は敗北宣言を中止し、再びブッシュ氏に電話した。ゴア氏が切り出す。「状況が激変した。フロリダ州で勝利宣言するには票差が小さい」。ブッシュ氏は「何を言ってるんだ」と気色ばみ、「わかるように言ってくれ。敗北宣言を撤回するために電話してきたのか」。これにゴア氏が「そんなえらそうにすることはないだろう。説明させろ」と応じ、ブッシュ氏が「弟のジェブ（フロリダ州知事）が一番知っていると思わないのか」と切り返しても、「知事が決めるわけじゃない」とゴア氏は取り合わない。「好きにしろ」とブッシュ氏が言い放ち、電話を切った。[2000-11-10-19:21]
毎日11/13 11:06 ＜米大統領選＞手作業での再集計 憔悴し切った高齢の点検委員
【ウエストパームビーチ（米フロリダ州）１２日上村幸治】ハイテク大国米国の指導者を決めるため、フロリダ州パームビーチ郡の選挙点検委員は、投票用紙を室内灯にかざし、首を傾けていた。１２日未明まで続いた異例の手作業再集計によって、票の数え違いが確認され、読み取り機械との誤差が判明した。郡全域で手作業の再集計を行うことが発表された時、高齢の点検委員は憔悴し切った様子を隠さなかった。夏の太陽が照りつける郡庁舎１階に、再集計会場が設けられた。政府職員や判事らで構成する選挙点検委員と民主、共和両党の立会い人、選管職員ら３０人近くが小さな部屋にこもった。金属製の箱から投票用紙の束を取り出し、１枚１枚手にとり、宙にかざす。窓ガラス越しに、テレビカメラがぐるりと並び、ライトの光を容赦なく浴びせた。同郡は投票用紙に穴を開けるパンチカード方式をとっている。穴が明瞭に開いていないと、機械が読み取れないことがある。このため委員は、無効票をとくに詳しく調べ、穴の有無を確認する。作業は１１日午後１時４０分に始まったが、小さな穴の確認は思った以上に手間取り、作業終了は１２日未明だった。全体の１％の票の確認に、１０時間以上かかったことになる。
郡庁舎周辺では、この日もゴア、ブッシュ両候補の支持者数十人がプラカードを掲げた。世界中から集まった３００人ほどの報道陣が取り囲む中、郡全体での手集計実施が発表されると、ゴア支持者からは歓声が起こり、ブッシュ支持者からはため息がもれた。[2000-11-13-11:06]
毎日11/13 11:01 ＜米大統領選＞全体で手作業再集計へ フロリダ州パームビーチ郡
【ウエストパームビーチ（米フロリダ州）１２日上村幸治】米大統領選挙の勝敗に重大な影響を与えるフロリダ州パームビーチ郡は１２日未明（日本時間同日午後）、手作業による投票の再集計結果を発表。サンプルとして選ばれた４投票所４６９５票で、民主党候補のゴア副大統領の得票増が共和党候補のブッシュ・テキサス州知事の得票増を１９票上回った。郡選挙点検委員会は、機械集計との誤差が大きいため、郡全体を対象に手作業による再集計を行うことを決めた。全投票の手作業による数え直しは、早ければ１３日にも開始される。しかし、ブッシュ陣営が提訴した手集計差し止め請求訴訟の公聴会も１３日開催の予定で、民主、共和両党と州当局が、手集計継続について調整を図る可能性もある。また同州ボルシア郡でも予定より１日遅れで１２日に手作業の再集計が始まった。
この日は、投票総数４６万２６５７票の１％を対象に調査した結果、ゴア氏が３３票、ブッシュ氏が１４票、得票が増えた。機械で読み取れなかった票が手作業で新たに有効票と判断されたためで、選挙点検委員会は「郡全体で１９００票前後の変動が出る可能性がある」と説明した。大統領選挙は、フロリダ州（選挙人２５人）を押さえた候補が当選することになっているが、ブッシュ候補がゴア候補を１７８４票だけリードしており、ゴア候補が１９００票上乗せすると、ブッシュ候補を逆転する。[2000-11-13-11:01]
朝日11/13 20:52 ◇機械集計で無記入扱いの票が焦点に 米大統領選◇
米大統領選の当落のかぎを握るフロリダ州の再集計作業で、無記入扱いになっている票の行方が焦点になってきた。機械集計では「無記入」と判断され無効とされたのが、手作業では記入の痕跡が見つかり、有効となる票が出てきているからだ。手作業を予定しているパームビーチ郡などはゴア票が多かったため、手作業が続けばゴア票の掘り起こしにつながると見られる。共和党のブッシュ・テキサス州知事がこうした事態を予測して起こした差し止め請求訴訟の審理は１３日午前（日本時間同日夜）、マイアミ連邦地裁で始まる。混迷の続く米大統領選は無記入票の掘り越しを、どこまで認めるかの争いになってきた。ブッシュ陣営は、手作業による集計は「機械よりも間違いが起きる可能性が大きく、統一的な基準やルールがない」（ベーカー元国務長官）などとして、パームビーチ郡などですでに始まっている作業を差し止める命令を求めている。ゴア陣営は、手作業はあくまで州法に基づいており「合法だ」として、真っ向から争う姿勢を見せている。
パームビーチ郡での手作業再集計は、初めのうち郡選挙管理委員会のスタッフが、投票用紙を１枚ずつ光にかざし投票者が打ち抜いた穴のあき具合を確かめながら進められた。その後、「客観性を高めよう」と、穴部分に破れた痕跡があれば一律に有効と認める方式に変える気の遣いぶりだった。同郡が総投票の１％強にあたる４７９５票について集計したところ、ゴア票が１９票増えており、単純計算すれば郡全体では２０００票近くにもなる。フロリダ州全体でのブッシュ氏のリード９６１票（州選管の途中集計）をうち消すことになる。同郡の総投票数は約４６万票で、機械集計では無記入のため無効とされた票が１万３６１票ある。[2000-11-13-20:52]
朝日11/14 01:23 ◇フロリダ州再集計、無記入扱いの票が焦点に 米大統領選◇
米大統領選のかぎを握るフロリダ州の再集計作業で、無記入扱いになっている票の行方が焦点になってきた。機械集計では「無記入」と判断され無効とされたのが、手作業では有効となる票が出てきているからだ。手作業を行うパームビーチ郡などはゴア票が多かったため、手作業が続けばゴア票の掘り起こしにつながると見られる。フロリダ州政府が１３日、「再集計の認証は１４日が期限」と手作業を待たない方針を示したのは「危機感を深めたブッシュ陣営の意をくんだもの」と、ゴア陣営は非難している。共和党のブッシュ・テキサス州知事が起こした手作業差し止め請求訴訟の審理は１３日午前（日本時間同日夜）、マイアミ連邦地裁で始まった。ゴア陣営は「１４日期限決定」に、ブッシュ氏の実弟であるブッシュ・フロリダ州知事の意向が働いているのでは、と疑念を示した。しかし、１３日記者会見したフロリダ州の当局者は、「あくまで州法に基づく決定」と強調した。ブッシュ陣営は、手作業による集計は「機械よりも間違いが起きる可能性が大きく、統一的な基準やルールがない」（ベーカー元国務長官）などとして、パームビーチ郡などですでに始まっている作業を差し止める命令を求めていた。
ゴア陣営は、手作業も州法に基づいており「合法だ」としている。同郡が総投票の１％強にあたる４７９５票について集計したところ、ゴア票が１９票増えており、単純計算すれば郡全体では２０００票近くにもなる。フロリダ州全体でのブッシュ氏のリード９６１票（州選管の途中集計）をうち消すことになる。同郡の総投票数は約４６万票で、機械集計では無記入のため無効とされた票が１万３６１票ある。こうした訴訟が長引き、１２月１８日の選挙人の投票日までに決着がつかない場合について、１１日付ワシントン・ポスト紙は「フロリダ未解決ならゴア勝利も」と報じていた。選挙人による投票手続きを規定した憲法修正１２条は、大統領として選ばれる条件は「選挙人の過半数」が必要としているだけで、「２７０」とは明記していない。フロリダでの勝者が確定しない場合、フロリダの選挙人２５人を無視し、残る総数５１３人の過半数２５７人で当選になる可能性がある、というのだ。すでにゴア氏は２５５人を確保しているため、現在なお開票中のオレゴン（選挙人数７）、あるいは接戦で見極めのつかないニューメキシコ（同５）のいずれかを確保すれば、当選となる理屈だ。[2000-11-14-01:23]
読売11/14 01:55 フロリダ州選管「規定通り最終確定」…大統領選
【ウエストパームビーチ（米フロリダ州）１３日＝林路郎】米大統領選の勝敗を決するフロリダ州のパームビーチなど四郡で民主党アル・ゴア候補（副大統領）陣営が求めている「手作業の集計」について、州選管の最高責任者キャサリン・ハリス州務長官（共和党）は十三日午前、全州の集計結果を州法の規定通りに投票終了から一週間後の十四日午後五時（日本時間十五日午前七時）に最終確定する方針を表明した。最低でも三―四日はかかる手作業集計の結果が事実上、無視されることになり、今度はゴア陣営が法的措置で対抗することを検討し始めた。共和党のジョージ・ブッシュ候補（テキサス州知事）陣営は「手作業集計」の即時差し止めを求める訴訟をマイアミ連邦地裁に起こし、十三日に審理が始まった。だが、手作業の集計自体はフロリダ州法で認められており、連邦地裁が州法の違憲性を認めるなど以外は差し止めが認められる可能性は低い。州務長官の措置は、七日の投票終了から一週間後の午後五時に州としての集計結果を確定させることを定めた州法上の時限規定を根拠としている。
ゴア陣営は、四郡での手作業集計終了まで州が集計結果の最終確定を行わないよう期限の延長を求めている。ゴア陣営の集計監査役を務めるクリストファー前国務長官は州務長官の通告を受け、「有権者の訴えをすべて無視するものだ。適法だとは思わない」と述べ、訴訟も辞さない考えを示唆。両党の訴訟合戦に発展する可能性も出てきた。[2000-11-14-01:55]
毎日11/14 18:55 ＜米大統領選＞フロリダ州で開票の公正さに疑問を呈する攻撃拡大
【ワシントン１４日中井良則】米大統領選挙の最大の焦点となっているフロリダ州で、選挙事務責任者の所属政党を理由に、開票の公正さに疑問を呈する攻撃が広がってきた。民主党のゴア副大統領陣営のクリストファー前国務長官は１３日、共和党のハリス州務長官が１４日午後５時（日本時間１５日午前７時）を全郡の集計報告期限と決めたことを「党派政治」と批判。一方、期限延長訴訟を起こしたパームビーチ郡の選挙点検委員会は民主党が多数派を占めており、政党色が色濃く反映されている。両陣営はフロリダに「ウォールーム」（戦争司令室）と呼ばれる前線本部を開き、陣営幹部が張りついて開票監視や訴訟を指揮している。地方レベルの政党対立が全米の関心を集めることはあまりないが、大統領が決まる決戦場だけに、両党とも相手の信用性に疑問を投げかける作戦に踏み出した。クリストファー氏は「州務長官は、郡からの報告期限を延期する権限がある。だが、市民の投票を確認せず、特定の選挙結果を作り出そうとしている。長官は（共和党候補のテキサス州知事）ブッシュ氏の選挙運動に熱心だった。選挙管理は政党と無関係であるべきだ」と述べ、ブッシュ氏に有利になるよう立場を利用している、と批判した。
フロリダでは６人の州政府閣僚が選挙で選ばれ、ハリス長官も８８年、共和党から立候補して当選した。ブッシュ氏の弟、ジェブ・ブッシュ州知事（共和党）の有力な支持者。大統領選挙中はブッシュ派として有名な湾岸戦争の司令官、シュワルツコフ元将軍を起用し投票を呼びかける広告を州予算で作り、民主党から批判されたことがある。長官は「期限延長は自然災害など予期できない状況の場合だけ。法律の規定に従うしかない」と政党とは無関係の決定と強調した。期限延長訴訟を起こしたボルシア郡とパームビーチ郡は逆に民主党の地盤だ。パームビーチの選挙点検委員３人のうち２人は民主党系。全投票の手作業による再集計実施を２対１で決めたことに対し、地元の共和党は「勝つことの方を法律より優先させた」と批判した。ボルシア郡点検委の委員長である郡判事（共和党）は、民主党系の郡政府から期限延長を求めて提訴するよう圧力があったと地元メディアに話している。公選の検事や教育委員も政党から立候補する地方分権の米国。民主党と共和党に真っ二つに分かれた大統領選挙を、党派対立の地方政治が左右している。[2000-11-14-18:55]
朝日11/14 16:34 ◇「正確な再集計こそ重要」 ゴア候補が強調◇
激戦の大統領選後、ホワイトハウスでの副大統領としての職務に戻った民主党のゴア候補は１３日、「誤解や間違いに基づく票や、開票漏れなどのほんのわずかな票のおかげで大統領に当選したい、とは思っていない。（共和党の）ブッシュ候補も同じだと思う」と語った。そのうえで、「確かに時間は重要だが、すべての票を正確に数える方がもっと重要だ」と指摘し、急いで大統領を決めるよりも、現在進められているフロリダ州の票の再集計に正確を期す方が大切だ、との考えを示した。投開票のあった７日以降、ブッシュ候補との間で、政治的、法的なつばぜり合いを演じているゴア副大統領は、記者団に対し、「だれが当選するかではなく、民主主義が試されているのだ。１票に託した米国民の意思は正確に届けられなければならない」と語り、手作業による再集計を求めていることの正当性を強調した。[2000-11-14-16:34]