毎日09/25 19:18 ＜臨界事故＞高濃縮ウラン加工施設の指針を新設　原子力安全委

1.キイワード；高濃縮ウラン、安全指針

2.関係者；国の原子力安全委員会（松浦祥次郎委員長）

3.概要；昨年９月３０日に起きた茨城県東海村の臨界事故を受け、国の原子力安全委員会（松浦祥次郎委員長）は２５日、濃縮度の高いウラン加工施設のための安全審査指針を作成した。原子力安全委は原子力施設の事業や設置を許可する際に満たすべき項目を安全審査指針としてまとめている。臨界事故を起こした核燃料加工会社「ＪＣＯ（ジェー・シー・オー）」東海事業所は濃縮度１８・８％のウラン溶液を取り扱っていたが、これまでは高い濃縮度のウラン加工施設に対する安全審査指針はなく、核燃料施設全体の安全指針と、濃縮度５％以下のウラン加工施設に対する安全審査指針で対応していた。新しい安全審査指針は、濃縮度５％以上２０％未満のウラン燃料を扱う施設を対象とした。臨界事故を踏まえ、従来記述のなかったウラン溶液を取り扱う設備・機器について取り上げ、どんな濃度でも臨界にならない形状の容器で取り扱うよう明記した。指針を満足していれば臨界事故に対する考慮は要しないとした点も、臨界事故を想定し、対策をとるよう書き改めた。また作業が煩雑となると、手順を逸脱する恐れがあるため、作業性に配慮して設備を設計することなどを求めた４項目の「重要事項」もまとめ、運転管理上も臨界防止に努めることを明記した。