毎日09/05 14:30 幹細胞移植で脊髄機能回復、ラットで成功

毎日09/06 19:29 ＜森林＞温暖化防止など公益的機能は７４兆９９００億円　林野庁

1.キイワード；森林、温暖化防止

2.関係者；林野庁

3.概要;林野庁は６日、地球温暖化防止などで見直されている森林の公益的機能を貨幣換算し評価すると７４兆９９００億円に上ると発表した。森林の価値を実感してもらうため、全国２５００万ヘクタールの森林を対象に１９７２年と９１年にも調査している。「水源かん養」「土砂流出防止」「土砂崩壊防止」「保健休養」「野生鳥獣」「大気保全」の６種類の機能に分けて算出した。最も高かったのが、土砂流出防止機能で２８兆２６００億円。森林によって守られている流出土砂量を５１億立方メートルと推定し、これに必要な砂防ダムの建設費を計算して推計した。二酸化炭素吸収は、樹木内に含まれる炭素量から１兆２４００億円と評価した。７２年調査では森林の価値は１２兆８２００億円、９１年は３９兆２０００億円。９１年と比べ、今回は調査項目に二酸化炭素吸収などが加わったこともあり評価額が２倍近くに増えた。

毎日09/07 00:50 ＜ニュースがわかるＱ＆Ａ＞森林による炭酸ガス吸収量　

　Ｑ　政府はこのほど、地球温暖化防止に大切な役割を果たす国内の森林による二酸化炭素（ＣＯ２）の吸収見積もり量を気候変動枠組み条約事務局に報告したそうですが、どんな内容ですか。

　Ａ　国内の森林が２０１０年に吸収するＣＯ２を炭素換算で年間１２５２万トン、間伐など手の入っている森林に限定すると、年間１０９４万トンと推定しています。これはＣＯ２国内排出量（１９９０年）の３・７％、３・３％に相当します。

　Ｑ　なぜ、地球温暖化を防止するうえで森林が注目されるのですか。

Ａ　９７年の地球温暖化防止京都会議では、先進国全体のＣＯ２の排出量を２００８〜１２年の平均で９０年比５％以上、日本は同６％減らすことになりました。大気中のＣＯ２は主に石炭や石油など化石燃料を燃やすことによって出るため、ＣＯ２を減らすには化石燃料の使用を制限するしかありません。各国の経済に大きな影響を与える恐れがあるのです。そのＣＯ２を光合成で吸収してくれるのが植物です。緑豊かな国では、森林がたくさんのＣＯ２を吸収しているわけです。このため京都会議では、森林吸収分を考慮して、その分は各国の排出量からマイナスすることになったのです。

　Ｑ　森林による吸収を認めるとその分、化石燃料を使えることになります。温暖化防止に逆行しませんか。

　Ａ　現在の温暖化を招いた原因の約３割は森林破壊と言われています。森林によるＣＯ２吸収を認めれば、各国が間伐や植林の促進、山林火災の防止などに本腰を入れるきっかけになるでしょう。算定方法は１１月の国際会議で決まります。