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朝日12/21 06:17 ◇永久磁石の磁性制御に成功　大容量メモリー開発に期待◇

1.キイワード；メモリー

2.関係者；東北大学電気通信研究所の大野英男教授（半導体工学）らのグループ

3.概要；永久磁石を電気的に制御して磁性をなくしたり元に戻したりすることに、東北大学電気通信研究所の大野英男教授（半導体工学）らのグループが世界で初めて成功した。小さな電力で機能する大容量メモリーの開発につながる研究で、コンピューターの高性能化が期待できる。２１日付の英科学誌ネイチャーに発表される。

　同グループが素材として選んだのは、ハードディスクなど外部記憶装置に使われている磁性体と、演算用回路や内部メモリーに利用されている半導体の両方の特性をもつ「磁性半導体」。零下２５０度で電圧をかけて内部の電子数を変化させた。そのかけ方によって、永久磁石の性質を消したり、元に戻したりすることができた。大野教授によると、室温での制御が可能になれば、磁気ランダムアクセスメモリー（ＭＲＡＭ）に応用できる。ＭＲＡＭは大容量だが小型で読み書きが早く、「究極のメモリー」ともいわれる。今回の方法は、これまで研究されているやり方に比べてはるかに少ない電力ですむという。

　東京大学生産技術研究所の榊裕之教授（半導体工学）は「電圧で磁性の有無を制御するのは革新的だ。魅力的な制御法で、発展次第で応用も期待できる」と話す。[2000-12-21-06:17]