朝日12/06 20:22 ◇三峡ダム、長江中流に姿あらわす　中国湖北省◇

1.キイワード；三峡ダム

2.関係者；中国長江三峡工程開発総公司の王家柱副社長

3.概要；中国最大の川、長江（揚子江）を中流でせき止める三峡ダムの本体が、姿を現し始めた。２００３年には北岸部分（高さ１８５メートル）を完成させ、水を１３５メートルまでためて発電を始める。２００９年には南岸部分（同）も完工、貯水量３９３億立方メートル、発電能力１８２０万キロワットという世界最大級のダムが誕生する。

　上海から約１９００キロ上流の湖北省宜昌市中心部から約４０キロさかのぼると、建設現場に着く。３年前の本流せき止め後、建ち始めたダム本体の高さは、９０メートルから１８０メートルに達する。約２万人が常時働く。工事には国の威信がかかる。洪水を防ぎ、流域に電気を供給するなど、今後の経済発展に役立てようという狙いだが、国内外の異論が消えない。総事業費は約２０００億元（約２兆６０００億円）。ダムに沈む１１３万人の強制立ち退きは、約２割が移転しただけ。環境への影響、ダム湖の土砂・ヘドロたい積など問題は多い。「すべて完ぺきにいっているとは思っていない。今後も努力を続ける」と事業主体である中国長江三峡工程開発総公司の王家柱副社長は話す。[2000-12-06-20:22]