朝日11/29 21:48 ◇仁科記念賞決まる　故折戸周治氏ら４氏に◇

1.キイワード；仁科記念賞

2.関係者；仁科記念財団（西島和彦理事長）

3.概要；仁科記念財団（西島和彦理事長）は２９日、物理学で優れた業績をあげた研究者に贈る仁科記念賞の今年度の受賞者を発表した。３つの業績について折戸周治・東京大学大学院教授（故人）ら４人に決まり、６日に東京都内で贈呈式をする。　ほかの受賞者は、山本明・高エネルギー加速器研究機構低温工学センター教授（５１）、小西憲一・イタリア・ピサ大学教授（５４）、堀内昶（ひさし）・京都大学大学院教授（５７）。賞は生存者を対象としているが、折戸さんは選定作業が終わったあとの１４日に死去した。５９歳だった。

　折戸、山本の両氏は、高度数十キロに上げた大型気球に超伝導磁石を使った測定器を搭載し、自然界にほとんど見当たらないが物質の起源を解き明かすカギになる「反陽子」の確度の高い観測に初めて成功した。小西氏は、素粒子物理学が現在の「標準理論」を超えるための重要な柱になると考えられている「超対称性」を分析する際の基本原理を発見した。堀内氏は、量子力学を取り入れることで、原子核の構造と反応を同じ原理で説明する理論を構築した。[2000-11-29-21:48]