朝日10/11 00:58 ◇ノーベル化学賞、伝導性ポリマー開発の白川英樹氏らに◇

1.キイワード：ノーベル賞化学賞

2.関係者：白川英樹筑波大名誉教授

3.概要：スウェーデンの王立科学アカデミーは１０日、２０００年のノーベル化学賞を筑波大の白川英樹名誉教授（６４）、米カリフォルニア大サンタバーバラ校のアラン・ヒーガー教授（６４）、米ペンシルベニア大のアラン・マクダイアミッド教授（７３）の３人に贈ると発表した。業績は「伝導性ポリマーの発見と開発」。伝導性ポリマーは電気を通すプラスチック。３人は世界で初めてこのポリマーをつくることに成功した。日本人のノーベル賞受賞は１９９４年の文学賞の大江健三郎氏に次ぎ９人目。化学賞は８１年の故福井謙一博士に次いで２人目。賞金は総額９００万クローネ（約１億円）で、受賞者３人で等分する。授賞式は１２月１０日、ストックホルムで開かれる。プラスチックは金属とは違い、ふつうは電気を通さない。白川名誉教授らは、プラスチックに手を加えると、電気を通す性質（伝導性）をもつようになることを見つけた。

　プラスチックは、規則的な構造をもった、長い鎖状の「ポリマー」とよばれる高分子。これが電気を通すには、ポリマーの中で炭素原子が規則的に並んでいるなど、一定の条件がそろっていなければならない。白川名誉教授ら３人は７０年代の終わりに、ポリアセチレンというプラスチックのフィルムを化学的に処理して、伝導性をもたせることに成功した。

　伝導性プラスチックの研究は、この業績を契機に、物理、化学の両分野で重要な研究領域に発展した。伝導性プラスチックは金属よりはるかに軽い利点があり、実用性が高い。現在では、プラスチック電池、写真フィルムの帯電防止剤、夏の強い太陽光を遮る窓ガラスなどに利用され、携帯電話や超小型テレビの画面の開発などへの応用も進んでいる。

　王立科学アカデミーは今回の化学賞について、「伝導性ポリマーの発見が分子エレクトロニクスの起爆剤になることは明らかだ」と強調する。その上で、「将来、われわれは個々の分子からできたトランジスタや電子部品をつくれるようになるだろう。そうすれば、コンピューターの計算速度は飛躍的に速くなり、大きさも腕時計の中に収まる日がこないとも限らない」と業績を評価している。[2000-10-11-00:58]

朝日10/10 22:47 ◇ノーベル化学賞に筑波大の白川英樹名誉教授ら３人◇

　スウェーデンの王立科学アカデミーは１０日、２０００年のノーベル化学賞を筑波大の白川英樹名誉教授（６４）ら３人に贈ると発表した。業績は「伝導性ポリマーの発見と開発」。日本人のノーベル賞受賞者は９人目。賞金は９００万クローネ（約１億円）。授賞式は１２月１０日、ストックホルムで開かれる。白川名誉教授は、伝導プラスチックの分野に貢献した。金属でないのに電気を通すという特殊なポリマーを発見、開発に努め、プラスチック電池の実現に糸口をつくった。白川名誉教授と共同受賞したのは、米カリフォルニア大サンタバーバラ校のアラン・ヒーゲル教授（６４）と、米ペンシルベニア大のアラン・マックデアミッド教授（７３）。[2000-10-10-22:47]

朝日10/10 23:39 ◇ノーベル化学賞、伝導性ポリマー開発の白川英樹氏らに◇

　スウェーデンの王立科学アカデミーは１０日、２０００年のノーベル化学賞に筑波大の白川英樹名誉教授（６４）、米カリフォルニア大サンタバーバラ校のアラン・ヒーゲル教授（６４）、米ペンシルベニア大のアラン・マックデアミッド教授（７３）の３人に贈ると発表した。業績は「伝導性ポリマーの発見と開発」。日本人のノーベル賞受賞は１９９４年の文学賞の大江健三郎氏に次ぎ９人目。化学賞は８１年の故福井謙一博士に次いで２人目。賞金は総額９００万クローネ（約１億円）。授賞式は１２月１０日、ストックホルムで開かれる。

　プラスチックは金属とは違い、ふつうは電気を通さない。白川名誉教授らは、プラスチックに手を加えると、電気を通す性質（伝導性）をもつようになることを発見した。プラスチックは、規則的な構造をもった、長い鎖のような「ポリマー」とよばれる分子。これが電気を通すには、ポリマーの中で、炭素原子が特定の規則をもって並んでいるなど、一定の条件がそろっていなければならない。白川名誉教授ら３人は７０年代の終わりに、こうした伝導性プラスチックの研究で、どうすれば電気が通るようになるのかなどについて、極めて重要な発見をした。その結果、伝導性プラスチックの研究は物理、化学の両分野で重要な研究領域に発展した。伝導性プラスチックはその後、実用面での重要性も増した。現在では、プラスチック電池、写真フィルムの帯電防止剤、夏の強い太陽光を遮る窓ガラスに利用され、携帯電話や超小型テレビの画面の開発などへの応用も進んでいる。

　王立科学アカデミーは今回の化学賞について、「伝導性ポリマーの発見が分子エレクトロニクスの起爆剤になることは明らかだ」と強調する。その上で、「将来、われわれは個々の分子からできたトランジスタや電子部品をつくれるようになるだろう。そうすれば、コンピューターの計算速度は飛躍的に速くなり、大きさも時計の中に収まるなる日が来ないとも限らない」と業績を評価している。[2000-10-10-23:39]