朝日09/25 19:54 ◇町工場の職人技を情報ネットワーク化　東京・大田区◇

1.キイワード；ネットワーク、職人技

2.関係者；「大田区産業情報ネットワーク協議会」（猿渡盛之会長）

3.概要；職人的な技術で「日本の試作工場」とも呼ばれる東京都大田区の製造業を活性化しようと、区内の中小企業経営者らが情報ネットワークづくりを始めた。インターネットで町工場の横のつながりを強め、国内外からの照会などに「国際コールセンター」が応じる。参加企業はまだ７０社ほどだが、将来は区内の３万８０００の事業者すべてのネットワーク化を目指している。ネットワークづくりを進めているのは、８月末に発足した「大田区産業情報ネットワーク協議会」（猿渡盛之会長）。

　ホームページで、町工場の高い技術力や製品開発力を宣伝する一方、窓口となる「国際コールセンター」を今月中にも立ち上げ、国内外から電話、ファクス、電子メールで問い合わせを受ける。大田区には機械加工を中心に約６０００の工場が集まる。約８割が従業員１０人未満で、小回りのきく町工場が互いの専門分野を持ち寄り、高度な技術が必要な試作品の製作などは、国際的にも知られるようになった。一方で、国際競争の激化や長引く不況で受注は減少。販路を広げざるをえなくなっている。

　プリント基板の分割装置などを開発、製造するサヤカの社長も務める猿渡・同協議会会長は「最初はこんな試みが役に立つのかという感じだったが、議論が深まるにつれて必要性がわかってきた。自分の身近な企業から徐々に広めていきたい」と話している。