朝日09/22 02:59 ◇新ＣＳ市場、多業種連合体が次々参入検討◇

1.キイワード：CS、双方向サービス

2.関係者；郵政省、放送事業者

3.概要；テレビと通信回線とを組み合わせて双方向サービスができる新しいＣＳ（通信衛星）放送に参入しようと、家電メーカーや放送局、商社などが、業種を超えた連合体づくりにしのぎを削っている。来年秋にも放送が始まれば、テレビ画面で買い物や音楽、映像のダウンロードなどができる新ＣＳは、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性があるからだ。郵政省は２２日から、放送事業者免許の申請を受け付けるが、限られた参入枠をめぐり、激しい競争が予想される。

　新ＣＳの特徴は、インターネットなどの通信回線と連動した双方向機能だ。インターネットと同じように、保険や証券情報を、テレビの画面からリモコンボタン１つで引き出せる。キーボードの操作がわからなくても、パソコンより大きな画面で、株の売買などができる。インターネットにつながる携帯電話から、ＣＳで放映予定の映画番組を確認して、外から録画予約もできる。テレビのデータ放送では最新のロードショー案内が見られ、クイズ番組への参加や銀行決済、旅の予約や音楽のダウンロードも可能だ。１２月から始まるＢＳ（放送衛星）デジタル放送にも、こうした双方向機能はあるが、一事業者に割り当てられた電波の周波数帯域が少なく、実際は十分なデータ放送ができないうえ、ＢＳに参入できなかった企業もある。新ＣＳでは、こうした課題が克服される可能性が高く、既存の放送局だけでなく、電機メーカーや商社、金融機関、自動車、運輸会社などの異業種も新ＣＳへの参入を検討している。