朝日09/01 03:11 ◇線虫に活性酸素除く薬投与、寿命１．５倍に　米で成功◇

1.キイワード；活性酸素、線虫、寿命

2.関係者；米バック研究所（カリフォルニア州）のサイモン・メロブ博士らのグループ

3.概要；体内で生体にさまざまな障害を引き起こすとされる活性酸素をある種の化合物でなくしたら、線虫の寿命が平均で１．５倍近く延びた。米バック研究所（カリフォルニア州）のサイモン・メロブ博士らのグループがこんな研究結果を、１日付の米科学誌サイエンスに発表した。薬物で生物の平均寿命を延ばすことに成功したのは初めてという。

　活性酸素は、ふつうの生活によってできる。細胞を傷つけて、がんや老化などの一因となるとされる。これに対して、生物の体内では、スーパー・オキシド・ジスムターゼ（ＳＯＤ）と呼ばれる酵素群が働いて、発生した活性酸素をとり除いている。この働きがよくないと、体は悪い影響を受ける。メロブ博士らは、この酵素と似た働きをする薬物をＣ・エレガンスと呼ばれる線虫の一種に与えた。その結果、ふつうの線虫の平均寿命が約２１日だったのに対し、薬物を与えた場合はグループによって約２７日から約３２日に。平均では４４％寿命が延びたという。グループは今後、ネズミなどの実験を計画している。