2012.10.28ケネディ政権ー閣議室での録音が公開(12/10/28)
さて、キューバ・ミサイル危機から５０周年で種々の論文がインターネットにあり。
一番、興味を惹いたのは、ＪＦＫライブラリーで、
１９６２年１０月１６日から２８日までの
１３日間の日誌が出ており、会議のテキストや、
閣議室での録音が公開されていることです。
１６日；危機の初日で、キューバ配備のソ連ミサイルについて
ケネディが、CIA副長官に詳細をきく場面など。１時間半の
MPEGファイルとテープ書き起こしです。
２７日；ブラック・サタディ
危機が最も高まった日、U-2がキューバ上空で
ソ連ミサイルで撃墜、またアラスカからソ連上空に大気
サンプリングのU-2が行方不明。
ソ連の潜水艦が米国の駆逐艦に向けて核魚雷を
発射する寸前、夕刻、ロバー
ト・ケネディとドブルイニン大使が司法省で会談、フルシチョ
フに対するケネディの回答を伝える
２８日；フルシチョフがキューバからの核ミサイルの
撤去と、米国側のキューバ不侵攻の誓約をモスクワ放送で
発表
ケネディからアイゼンハウアー大統領への電話・録音
など聞けます。
この録音はケネディが大統領執務室と閣僚会議室に
秘密裏に仕掛けていたもの。ケネディ暗殺後、すぐ撤去で
ケネディ家の財産でしたが、1976年にケネディ大統領
ライブラリーに提供。
その内容は次々公開されたようですが、インターネットで
録音が聞けるようになったのは本年からのようです。
やはり、肉声で当時のケネディ政権幹部がどのような
話しをしていたのか、分かるというのは大変なことです。
１０人を越える会議ですが結構、冷静に議論してます。
ケネディもフルシチョフも核戦争を始める気はなかったが、
米ソの大軍が敵対しているので、そこから偶発戦争が
始まり、大戦争にいたることをケネディは心配していたとか。
１９６２年にThe guns of Auigustという１９１４年の
第一次大戦の始まりを描いた歴史小説がベストセラーに
なり、この小説が、偶発的な事象の重なりで、第一次大戦に
至った過程を丁寧に描いていたとか。
1962年10月27日のソ連潜水艦の事例はそれ、寸前でした。
まあ、探査魚雷を米国駆逐艦からぼんぼん落とされて
ソ連潜水艦がパニック寸前になったというのは、偶発戦争
寸前です。
そもそものフルシチョフのキューバへの核ミサイル持ち込み
は、西ベルリンを西側から奪う目的。１９６１年に
ソ連側がベルリンの壁を作ったときに、ケネディが
何もしなかったので、キューバに核ミサイルを持ち込めば
その撤去の交換条件で西ベルリンを無力化すると
目論んだ模様。
ケネディはもし米国が、キューバに侵攻して核ミ
サイルを撤去すれば、ソ連が西ベルリンを攻撃するので
キューバ攻撃はオプションとして取り得なかったとか。
ケネディは、トルコからジュピター弾道弾撤去を
交換条件として飲んだのですが、秘密にするとソ連側に
条件を付けたのは、ケネディの勝利では。
もし、ジュピター弾道弾撤去を公にすれば、
米ソの対決は50:50で引き分けと見られかねなかったもの。
キューバ核ミサイル撤去と、キューバ不侵攻では、
米国の勝利と当時、見られました。
<16日の録音所在場所＞