020.02.26 色川武大 知って驚く 吉行淳之介 1994年3月
色川武大（別名：阿佐田哲也）との付き合い、始めから終わりまで知って驚くことばかり。
5年目になくなｔった藤原審爾としばしばマージャン、19509-1960年頃、またで1名足りない時に若い男を呼んできた。
「自分は頭が大きく異相なので小学のときからはみ出してきた」と書いている。
しかしその時は、色の黒い痩せた無口な男との印象しかなかった。
1961年に「黒い布」で中央公論新人賞を受賞ではじめて文学をやっていると判った。
読んでみると佳作である。作風は後年のものとことなり楷書風であった。
文学辞典を見ると純文学をやっている時代もあった。
知って驚いたのは麻雀のことである。
藤原審爾は雀豪で有名であり、自分は戦時中も麻雀をｙっていて自警団に怒られた
下手の横好きである。
色川と打っていて不思議に思ったのは、色川が少しづつ勝つことである。
1969年に週刊大衆に阿佐田哲也名で「麻雀放浪記」が連載になり、大評判になった。
読んでみると大変なエンターテインメント小説であった。編集長があれは偽名というので色川武大とすぐ判った。
1964年から話の特集で「怪しい来客簿」という連載をはじめ、これは私の最も好きな作品である。
色川武大には幼児のときから突然睡魔におそわれるとい病気、ナルコレプシーの持主であった。その間に夢をみるとか。
麻雀のときにもあれがあった。
ここ3年ぐらいは、病気がいくつも重なって外にはでれない。それまでは、銀座の地下室のバー、「まり花」で
しばしばあって他愛もない話をした。それだけで私は愉快であった。
平成になって1989年2月２８日に突然、色川の訪問を受けた。大きな袋を持っており、
栄養剤、強壮剤を置いて行った。それが彼に会った最後である。
注；色川武大1929年3月28日 - 1989年4月10日