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020.02.25 森茉莉さんの葬儀 吉行淳之介 1994年3月

1987年6月20日 森茉莉さんの葬儀が信濃町の千日会堂で無宗教で行われた。84歳であった。
6月8日心不全、世田谷のアパートで一人住まい、死後2日、鴎外に溺愛され
その父を活写した随筆「父の帽子」でデビュー、ひたすら空想と美の世界を一人、歩き続けた。
6畳一間の城でfyで筆を取り続けたその顔は、安らかで夢を見ているようだったと、6月9日の読売新聞。
森茉莉は一流の小説家であった。
葬儀は筑摩書房元社長の竹ノ内静雄、1956年の森茉莉の短編集の生原稿を読み上げ、
次に小説家の荻原葉子が簡潔に、「少女のまま大人になった茉莉さん、室生犀星を尊敬していた」
次は私、原稿用紙に万年筆、筆をもてなかった。[父の帽子が出版されたときに毎日新聞に書評を書いた話をそた。

もともと、森茉莉は宮城まり子の友人、室生犀星の家で会ったらしい。
4番目が宮城まり子で面白いジャーの話。
最後は喪主として、実弟の森類氏が「森茉莉の生涯」、語り口は飄逸。長い話であったが僧侶の経もなく
神父や牧師の説教もないのだから。
破格だが、いかにも森茉莉さんらしい葬儀。若い女性が多い。
会堂が狭いせいもあってうしろに立っている人もあった。