020.02.09 さとうなら向田邦子さん 沢地久枝 おせいさんの娘 1981年8月25日 週刊文春
手首、足首が締まっていて、額の形と頭のバランスがよく、すらりと細く長身に見えた。
しかし身長は小柄な沢地より少し小さかった。
服装でお腹のふくらみをかくしていた。美食家であったが一生、痩せる努力はしなかったのでは。
妙な特技があり肩からしたの骨の関節をはずして体をだらりと出来た。
癇が強く、爪を噛むくせがあった。
10年前に二人で1か月の海外旅行、行く前にTVの脚本の締め切り、しかし旅の最後まで着手せず。
リマのニューイヤー・パーティーの後ホテルに帰り出発の前夜,深夜から猛烈な勢いで400字詰め原稿用紙に書きはじめ、およそ5-6分おきに
原稿をびりとはがす音がした。翌朝、ホテルのフロントで封筒は速達航空便で発送しｔ。
「こちらは眠っている間も考えて命を削って書いているのに、まるで遊び半分で書いているように言う人には腹がたつ」
と直木賞を受賞の直後の電話で言っていた。
お母さん、向田せいさんは明治４０年12月31日生まれ、遭難の翌日もいつもと同じように美味しい煎茶を入れてくれ
「澤地さんがないちゃ駄目でしょう」
目に一杯、涙をためて笑いながら言った。