2020.01.25 本屋の女房 夜中の薔薇 向田邦子図書1981年8月
小学4年のときにお年玉を貯めて祖母につれられて、鹿児島の翻訳にいった。
迷いに迷ったあげく買った本は「良寛さま」相馬ｘ著。
本を歩むのが好きであった。小学3年とか4年とかいう雑誌を定期購入しており、それらが届くのが楽しみ。
納屋には、漱石全集とか世界文学全集といったものがあり、こっそり読んでいた。
しかし、大ぴらに読める雑誌が楽しかった。
お八つなど食べながら本を読んでいた。
そのころ、自分は大きくなったら本屋の嫁になると言っていたらしい。
本屋ならいくらでもただで本が好きなだけ読めるから。
あるとき、物を食べながら本を読んでいると父から、
「本にしみになるので本屋の女房になれないぞ」と言われた。
本を読むのが好きであったが、まさか本を書く仕事につくとは思わなかった。
非常に短いエッセイであるが、単行本「夜中の薔薇」の冒頭に置かれている。「図書」に書いたのは
1981年8月で飛行機事故死の月。ですから遺稿でしょうが、この本の編集者が向田本の先頭が良いと思ったのでしょう。