2019.12,21 テレビの利用法 向田邦子 19８１年 女の人差し指 1981年
軽妙なエッセイである。
アメリカの小説でテレビを愚かな箱とよんだいるのを見た。
よく世間では、
テレビに出たりテレビ番組を作ったりするのは三流の人間で
見ているのは二流
テレビなど絶対に見ない人種を一流という。
この愚かな箱も使いようで、7チャンネル（東京）を3分おきに次々と替えて、音を消して、一人がストーリーを
作って喋ると面白いものが出来る。
私の知人の家の猫は、料理番組が始まると前に座ってじっと見るし、
ある映画評論家の飼い猫は、大の野球狂で、テレビの画面のボールを捕まえようとパット前肢を出してジャンプするそうな。
我が家のオス猫は飼い主に似てグータラベエで、テレビをみるとその上にねそべって、テレビドラマを書いている
女主人を、小馬鹿にした顔で見つめるだけである。
私は音を消してテレビを猫の保温箱にして、しごとをするのである。