2019.11,2８ 向田邦子の遺書； 向田和子 2001年刊
向田和子が2001年に書いた、「向田邦子の遺書」に目を通しました。邦子は向田家の家長のような存在で
かつシナリオライターとして相当の収入があり、遺書を3通ほど書いたとか。最後のほうは乳がん、それから
血清肝炎で右手が動かず、肝硬変の疑いもあり、死期を意識しての本当の遺書風。
その遺書を公開して小説にする和子には非難の声はあったようですが、野次馬には面白いもの。
現金は貯金で５０００万円くらい、不動産が大きいのですが、南青山第一マンションズ（本人の住居）
、赤坂氷川台マンション（母と和子が居住）ですね。宝石とか衣類など細かいものも4人でどうわけるか細かく指定。
次姉にはいろいろ始末して４０００万円くらい残すように。
問題は福助頭の保雄ですね。南青山第一マンションズを残すが同居者がいて、それが、女であることの条件つき、
愛猫の世話とか部屋の水漏れ防止などの管理に保雄独身では困るとか。女性の同居者とは結婚しかないのですが、
あと株の分配で保雄が独立して衣料品販売会社を興した時に、親戚が出資の株ですね。
２００万円くらい。結局は倒産のようですが、毎年の収支を出資者に報告しないので邦子は激怒。
南青山第一マンションズの相続は、揉めたのでは、保雄が不適格となるとどうするか遺言に書いてないの
ですから。現在の価格は1,5億円から３億円とか。築50年を迎えて立て直し計画、現在の12階を22階にして増築部分を
売って建設費として現住居にはそのままの面積で100万円出すとか、悪い条件ではないが原居住者に反対者がいて
揉めているとか。あの場所は都内でも最も良い場所でデヴェロッパーが鵜の目鷹の目とか。地下鉄青山一丁目駅から
歩いて2-3分の超便利な場所。1970年の建設時に邦子は購入ですが、目先が効いたのでは。
赤坂ままや開業についても詳述ですが、和子が大東京火災で勤め人生活、それで不満で五反田にミズヤという喫茶店開業、
和子が物足りず、本格的な店を持ちたい、邦子が持たせたいということで、和子は事前に知人の店で種々の修業をへて
開業。かなり本格的な小料理屋だったようですね。1978年開業、1998年に和子が60才のとき閉店。ままや開業は
邦子がかなりせかしたようで、肝硬変で先はながくないと焦ったとか、実際は肝硬変にならなかったのですが。